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<ルネサスエレクトロニクス>(6723) |
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SiCパワー半導体関連で2,500億円損失 |
2025年6月24日 |
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協業するSiC(炭化ケイ素)半導体ウエハ大手、米国ウルフスピード(Wolfspeed, Inc.、本社米国ノースカロライナ州ダーラム)の経営悪化に伴い、今期に約2,500億円の減損損失を新たに計上する。ルネサスエレクトロニクスは通期業績予想を開示していないが、前24年12月期は最終で2,190億円の黒字だった。
ウルフスピードは、米連邦倒産法11条(チャプター11、日本の民事再生法に相当)適用を近く申請する見通し。ルネサスエレクトロニクスでは、6月23日付で同社および主要債権者との間で財務再建について定めるRestructuring
Support Agreement(再建支援契約)を締結している。この関連で損失が発生する。
ルネサスエレクトロニクスは、ウルフスピードとの間で、2023年にSiCウェハの供給契約を締結しており、同社に20億USドル(約2,920億円)の預託金を提供した。さらに2024年10月には修正契約を結び、本預託金の元本相当額は総額20億6,200万ドル(約3,011億円)となっている。
しかしウルフスピードの経営悪化が表面化、ルネサスエレクトロニクスではこの預託金について、前述再建支援契約に基づき、ウルフスピードの転換社債、普通株式および新株予約権に転換することで合意、預託金の大半を損失として計上することになった。損失計上時期と額は流動的だが、現段階では25年12月期の第2四半期(4〜6月)に2,500億円(為替レート1ドル150円で換算)の減損損失計上となる見込み。
ルネサスエレクトロニクスは、弊社サイト5月30日付当欄でも既報のように、SiCパワー半導体の開発を中断する方向を既に明らかにしている。SiCパワー半導体をEV(電気自動車)市場向けに展開する予定だったが、EV市場が軟化していることに加え、中国勢の台頭から価格競争が厳しくなっており、採算維持が困難と判断した。したがってSiCウエハの協業相手であるウルフスピードのチャプター11申請は、事業面での直接的な影響は実際には限定的だが、預託金の回収が困難になったことによる大幅な損失計上が損益面で痛手となる。
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