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<スター精密>(7718)

今期は赤字見通しだったが、2年ぶり黒字確保へ
2011年3月11日
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 赤字見込みだった11年3月期は黒字を確保する見込みとなった。前期の大幅欠損から回復、黒字確保を果たす。工作機械部門で全体受注が上昇、さらに生産現場での事情もあり利益率の高い欧州向け製品販売のウエートが拡大したことなどが寄与する。また繰り延べ税金資産の計上も当期利益確保には寄与する。

 今期は、コンポーネント事業は引き続き営業損失となる見通しだが、工作機械と精密部品の収益性が改善しており、利益回復にはこの2部門の利益率上昇寄与が大きい。

 工作機械部門は、もともと欧米向けは直販でハイエンド製品が主体、一方アジア向けはローエンド製品が多く、さらに代理店経由が主体となっている。このためもともと欧米向けは利益率も高く、さらに業績への寄与もダイレクトという背景があった。

 こうしたなかで、リーマンショック以降の景気後退から前期は同品生産体制を縮小していたが、今期は期初から受注が上昇に転じていた。ただ生産体制を縮小した反動もあり、急速な受注に生産が間に合わない状況が続き、このため結果的に期末にかけて特に利益率の高い欧州市場向け製品の受注を優先的にこなすという状況が生まれ、これが利益率の上昇につながったというもの。一方精密部品部門でも、腕時計市場が活性化、これにより利益率の高い同品向けムーブメント受注が拡大した。

 ちなみに工作機械部門は従来予想では191億円の売り上げ見通しだったが192億8,600万円の見込みとなり、同部門の営業利益は17億4,000万円の見込みだったが21億7,300万円となる。また精密部品は41億円の見通しが42億4,800万円、営業利益は17億4,000万円が21億7,300万円となる。

 今期の業績予想は表中の通り。売上高は従来予想をやや上回るという水準だが、前述のような製品構成の変化から利益率が上昇、経常利益はさらに上ブレする見通しとなった。また第3四半期までに特別損失として計上していた有価証券評価損2億4,600万円が市況の回復で必要なくなり戻り入れとして相殺することになったほか、繰り延べ資産の計上も行うことになり、当期利益段階ではこうしたことも寄与、黒字を確保する。


◇2011年3月期業績予想修正
連結(百万円) 売上高 経常利益 当期利益
従来予想 35,500 800 −800
今回修正 35,716 1,190 160
(参考)
前期実績 29,180 −3,884 −8,555