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KFE JAPAN>(3061、名証セントレックス)

プリント基板受注堅調。3Dモニタ市場にも参入
2010年10月29日
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 主力のプリント配線板受注が堅調に推移しており、今11年3月期の第2四半期(7〜9月)は実に11四半期ぶりに営業利益段階で黒字を確保した。黒字化の背景は、主力販売先であるキヤノンのプリンタ向けプリント配線板受注が堅調だったことに加え、これまで収益を圧迫していた中国東莞の生産子会社を今年6月末に売却したことが大きい。第1四半期(4〜6月)が想定よりも悪かったため、9月中間予想は下方修正となっているが、今期は3年ぶりに黒字浮上を目指す形となっている。

 今期の第2四半期は、売上高は前年同期比15%減の17億7,600万円にとどまるが、営業利益は3,600万円の黒字となる見込み(前年同期は1億1,100万円の欠損)。経常利益と当期利益はともに1,000万円の赤字を見込む。第1四半期が悪かったため、9月中間は従来の黒字予想から欠損転落となるが、実態としては上向いている。なお9月中間は、売上高34億4,700万円、利益はすべて欠損で営業損失2,900万円、経常損失1億1,300万円、当期損失1億3,100万円となる見込み。

 会社側の説明によれば、第1四半期の営業損失は連結対象だった中国子会社の損失分が大半だったとしており、同社を6月末で売却したことでその後の利益率は大きく改善しているという。KFEJAPANはもともとファブレスだったが、中国東莞のプリント配線板メーカー、東莞泰山電子を2年前に買収して片面板や両面板などローエンド製品はこの中国直轄工場で生産していた。しかし今年6月にこの中国工場を中国系プリント配線板メーカーに売却、再びファブレスメーカーとなっており、現在は量産については複数の中国のローカルメーカーなどに委託している。

 取り巻く経営環境は厳しく、またプリント配線板各社も一部受注失速が伝えられるが、KFEJAPANの場合はキヤノンのプリンタ向け受注が好調に推移している。円高の影響で売上高の目減りなどは若干あるものの、中国で生産して中国で販売するという形式のため為替の影響も受けにくく、今期は3年ぶりの黒字浮上を目指している。

 一方このほど3D対応モニタを市場投入することも決めた。今年6月に弊社当欄でも既報のように、今春3D対応の液晶ディスプレイ事業でベンチャーと提携、開発を進めているなか、光ディスク再生用モニタの完成品を市場投入することになったもの。専用の眼鏡などを使わないグラスフリーが特徴で、左右の目に別々の映像が届くようにバックライトを制御する光線制御方式を採用している。

 投入するモニタは10インチの一人用で、正面で見ることが要求されるが、専用ソフトにおいて3D映像が聴視できる。市場投入は11年1〜2月を予定しており、既に試作機は完成しており、現在はコンシューマ向けと法人向けなどの販路を開拓しているところ。本来はモジュールをセットメーカーに販売していくのが狙いだが、製品アピールと普及を狙いに機器本体も市場投入する。