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<ワイ・イー・データ>(6950、東証2部)
2011年7月1日
参考資料 ワイ・イー・データのデータベース
     (会員サイトでは各社データベースにリンク。
データベースの見本はデータベース欄にあります)

連  結 2008/3 2009/3 2010/3 2011/3 2012/3
予想
売上高(百万円) 9,507 6,907 4,408 5,529 5,000
経常利益(百万円) 147 95 -561 74 60
当期純利益(百万円) 52 -699 -885 25 50
純資産額(百万円) 7,265 6,385 5,437 5,460 -
総資産額(百万円) 10,270 8,692 7,755 7,850 -
株主資本率(%) 70.7 73.5 70.1 69.6 -
1株当たり
純資産額
(円)
380 334 285 286 -
1株当たり
当期純利益
(円)
2 -36 -46 1 -

売上構成 オプトメカトロニクス60%、情報マルチメディア32%、情報セキュリティ8%
2011年3月期



 スマートフォン、タブレット型携帯端末などモバイル機器市場の急速な拡大を背景に、同品向けの高精度スプレーコーター受注が急拡大している。同品は前期後半からの市場投入で、台湾、中国の現地ローカルメーカー向けの受注が拡大しており、今夏以降はこれら製品の納入がさらに本格化する見通しとなっている。

 スマートフォンなどモバイル機器向けのスプレーコーターは、子会社、ワイディー・メカトロソリューションズの新潟事業所(新潟県見附市)で主に製造している。需要拡大が見込まれる台湾向けは、従来直轄の支店を経由して販売していたが、こうした現地市場の拡大を背景に、今年6月29日付で台湾でレーザマーキング装置の修理・サービスなどを行っていた子会社、唯一奉思工程服務(ウイルサーブ・インク)と経営統合する再編も実施した。

 台湾の拠点統合は、需要拡大が見込まれるなか、支店経由ではなくて現地法人での販売で現地の営業体制を強化するのが大きな狙いで、同時に2拠点を統合することで効率経営を促進するという思惑もある。伴って台湾支店は閉鎖した。

 支店機能を吸収した台湾現地法人のウイルサーブ・インクは、従業員15人となり、10年度の売上高は6,100万NTドル(1億7,100万円)だったが、11年度は一気に3億2,900万NTドル(9億2,100万円)となる見込み。ただこれは従来の台湾支店分の売り上げが加わるという側面があり、単純に5倍以上に伸びるわけではないが、前出スプレーコーターだけでも倍以上の伸びにはなるとしており、拡大基調であることは間違いない。

 ワイ・イー・データは、業績面でも前11年3月期には3年ぶりに最終黒字を確保するなど顕著な回復を遂げている。今12年3月期についても、前半は不振だが、後半には再上昇に転じて通期では黒字定着化を果たすと見込んでいる。具体的には、上期はFDD関連需要が終息に向かうなかで低迷するが、下期に前出モバイル機器用装置の海外向け受注本格化を見込んでいる。なお今期の業績予想は、震災の発生もあり期初には明らかにしていなかったが、5月末に改めて震災の影響が軽微であることを確認したうえで開示した形となっている。

 今期予想は、9月中間は売上高18億円、経常利益は1億6,000万円の欠損、当期利益は1億8,000万円の欠損と不振だが、通期では表中のように順に50億円、利益はともに黒字で6,000万円、5,000万円となる見通し。なお前年中間は順に28億2,400万円、利益はともに黒字で4,000万円、1億3,300万円だった。

 ちなみに前11年3月期は、売上高が対前期比で25%増、利益も最終段階では3期ぶりに黒字を確保するという内容で、これはやはり下期から立ち上がった前出モバイル機器向け高精度スプレーコーターの寄与が大きい。前期はFDD関連など情報マルチメディア事業は23%減となったが、レーザマーキング装置、スプレーコーター、電極塗布装置などが中身のオプトメカトロニクス事業だけだと倍増している(同部門売り上げは33億600万円)。

 モバイル機器市場の成長を背景に、台湾、中国向けの同製造装置事業で新たな成長戦略を目指す形となっている。